小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


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行間を感じる|2006年9月20日

センスが高い選手になればなるほど、言葉は少なく体の触れあいだけで通じてしまいます。

以前、プロ野球選手にバットの構えについて話をしました。
彼は現在若手でとても活躍している選手の1人です。
ほんの少し触れてアドバイスをしましたが、瞬間に理解してくれました。
とてもセンスが良く言葉以上のことを理解してくれたようでした。
その後、彼が肩のケガをした瞬間どんな状態だったかを私が分析して体に触れて説明したところ「思い返してみると、まさにその通りです!」と本人も原因が明快になってスッキリしたようでした。

表面的なものに囚われる人の多くは、言語や理論を重視します。
「つまり、こうすればいいんですね?」と言う具合に、すぐに答えを出そうとしてしまいます。
しかし、人の体や動作は頭で理解できるものではありません。
それを頭で理解した(錯覚ですが)瞬間、想像していた動きや結果とはまったく違うものになってしまいます。
本当に感じ取ってほしいことは、言葉では表せない場合が非常に多いのです。
前述したプロ野球選手に言葉だけの会話(アドバイス)だったら、何も伝わりはしなかったと思います。
しかし、言葉とそれ以外の要素を触れることで、言葉や理論以上の何かが伝わるのです。

伝えなくてはならないのは言葉だけではありません。
言葉にならない部分、「行間」なのです。
言葉や理論はどんなに上手く説明しても、この見えない要素を伝えることによって、より多くの情報が言葉と共に伝わります。
専門誌などを読んで理解したつもりでも、実際にやってみると使えないことが沢山あります。それはこうした理由があるからなのです。
「文字だけでは表せない要素」これがとても大切なのです。

※行間とは…文章に文字では書かれていない筆者の真意や意向を感じとる意。

小説はこの行間を読むから面白く、文章では表現していなくても伝わることもあるのです。
しかし、これは小説だけでの話ではありません。
人間が伝えるという行為の中には必ずあるものです。
それを理解している人としていない人では情報質・量とも雲泥の差がでてくるのです。