小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


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気配を消す|2009年2月 3日

●気配を消す 相手に動きを読まれてしまう。 読まれにくい人、読まれやすい人の 違いは何だろうか。

実は、相手は貴方の動きを予測しているのではなく、
貴方が動く合図をしているから気づかれる
というのが真相である。

えっ、そんなことはないはず!
と思うかもしれませんが、

相手自身も気付いていない信号(つまり無意識)を
キャッチし貴方の動きを読んでいるのです。

では、どんな信号をだしているのでしょうか。
信号とは、動きの癖のようなもので、
無意識レベルのルーティンと考えてもよい。

つまり動く前に、何か起点を作り動いているということだ。
例えば、踏ん張ってから動く癖。
力を抜いてから動く癖などなど。

動く前の動きが信号となり、相手に届くのだ。

では、実験してみましょう。まず2人ペアになります。
Aさんが片手を差し出します(手の甲を上にして)。
Bさんはその出した手の上に片手を触れ合わないように重ねます。

これで準備オーケー。

ルールは簡単。
・Aさんはいつでもいいので、素早くその手を後に引きます。
・BさんはAさんが少しでも信号を発したらその手を掴みます。
※注意点、動き自体を検証しているため、フェイントは一切使わないこと。

・まず最初に、自分なりに素早く手を引いてみる。
・次に、どこか起点を作った状態で、手を引いてみる(足元や腰など)。
・次に、手を引くのではなく、肘先端を引く感覚でやってみる(一切準備せずに)。

それぞれ違う質感を味わえると思います。
さて、どれが気配なく動けただろうか。

このように同じ動作を違う感覚で行うことで
動きの質を変えることができる。

これは意識をそらすことで
「引くという動作」から離れたことにより
無意識のルーティンからも離れられるのだ。

いつの間にかマニュアル化された動きは
無意識のルーティンを作り出す。

そのルーティンを外していくには、
動作や方法に囚われるのではなく、
意識や動作の起点がないかを
常に自分を観察することである。

打撃や投げなど他の動作にも応用できるので
是非試して頂きたい。

                  kab labo.小関