小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


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競技者をやる上で改めて考えてみて欲しいこと|2015年5月21日

 

競技者にとって改めて考えてみて欲しいこと

 

競技者にしっていて欲しいこと。

 

人はつい環境に依存してしまいます。

 

すると徐々に依存した環境が強調され、強化されていきます。

 

バランスは崩れて行き、本来発揮されるはずの力が発揮できなくなります。

 

 

 

 IMG_5883.JPG

 

 

環境は常に変化します。

 

未来が今になるように。

 

今が過去になるように。

 

刻々と留まることなく変化していきます。

 

特に競技者にとって環境とは変化するだけではなく、

 

自分にとって悪くなるものであり、邪魔されるものである。

 

真ん中で自分が打ちやすいスピードで投げてくれるピッチャーはいません。

 

シュートコースを空けてくれるDFやGKはいません。

 

でもそれは前提の環境であることを忘れてはいけません。

 

自分にとって都合のいいようにはならないし、むしろやらせてもらえないのが、

 

競技者にとっての環境なのです。

 

しかし、このことを改めて理解できたとき、

 

真剣勝負や本番、試合に対する向かい方が変わります。

 

練習や稽古、トレーニングの取り組み方が変わります。

 

なぜか、安心感、ワクワク感が生まれます。

 

きっとこれが環境から解放された瞬間なのかもしれませんね。

 

 

 

                    バランストレーナー小関

 

 

 

 

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ゼロ層目|2011年5月28日

様々なアスリートたちと触れ合う機会が多いのですが、

彼ら、彼女らの問題はいつも共通しています。

そこから突破する力はもちろんあるのですが、

どこへ向かうかが鍵となります。

 

一層目に目標、目的、イメージ、夢があり、

その手段として二層目、様々な方法、手法があります。

しかしどれも問題の解決にはなりません(もちろん持っていて良いものですが)。

というか、そこで解決している人を見たことがありません。

 

kab labo.のレッスンではゼロ層目に注目します。

そのためには、自分の無言の言葉に耳を澄まします。

文章にすると非常に抽象的かもしれませんが、

身体という具体を通して感じられることなので

実際は具体的なことなのかもしれません。

 

無言の言葉を聞けるようになると、

等身大であり、最大の自分に戻ることができます。

無言の言葉は思考というボリュームを

低くしていくだけで良いのです。

 

今立っている所が分かると

自ずと進む方向は現れてきます。

ここで心と体の一致が見えてきます。

問題はそのズレとなりますが、

大事なのはズレをどうにかするのではなく、

一致していたことを知ることです。

そして一致していることを感じることです。

そこから先は皆さんそれぞれのゾーンです。

お楽しみください。

                         kab labo.小関

強調と協調|2009年10月21日

●強調と協調

運動を強調すればするほど
全体のバランスは崩れていく。

WBCに出場したある選手が
今シーズン不調だった。

先日その選手に話を聞くと
「ボールを投げる強さは増したんですが、
コントロールが良くなかったんです」と。

調子が悪いわけではないけど
結果がついてこない。
何故そうなってしまうのか
本人も不思議そうに話していたので

強調と協調の話と実験をしてみる。
本人も少し掴んだようだったので
キャンプと来シーズンがどうなるか
見守りたい。

かたやベテランと言われる選手(最多勝投手)、
膝を痛めて早々にシーズンを終えたが、
さすが、身体のメンテは他の選手より
ずば抜けて繊細に行なっていた。

私も少しばかりか毎年お手伝いさせて頂いている。
彼の体のメンテを行い、
膝が何故痛くなるのかを説明。
さすが、話の通りも良い。

即、感覚の変化を感じた様子で
全体的な動きも変化があったようだった。

このように、
アスリートと言われる選手でも
日々、バランスを保つのは難しいものである。
大事なのは目先の状況・結果に左右されず、
全体のバランスを大切にすることだ。

ケガについてもパフォーマンス低下についても
このバランスが崩れた時に起こる現象である。

そのキーワードとして
「強調と協調」の違いを(身体で)知っておくことは大事である。


                        kab labo.小関

早く動く|2009年3月 4日

●早く動くには

スポーツにおいて、
早く動けるというのは
とても大切なことである。

バランストレーニングの中で
あまり早く動くことをしないが、
実はそのトレーニングもかねている。

早く動くためにはその道筋を
知る必要がある。
その為には、動作をゆっくり行なってみる
必要がある。

その道筋を理解していないうちに
早く動こうとすると無理が生じる。
それが急ぐ原因となる。

・試しに、立った状態から
しゃがんで、また立つという運動をしてみる。

・次に、それをなるべく早く繰り返してみる。

・次に、椅子を用意して、ゆっくり立ったり
腰掛けたりする。(いつも座るように)
その運動軌道を感じたなら、

・椅子を取って、同じように立つしゃがむ動作を
早く行なってみる。

どうだろう?
先ほどの動きとまったく違うことに気付くはずである。

早く動くことには
大きく2種類あると
理解してほしい。

1つが、急いで動くこと。
もう1つが、早く動くことである。

急いで動くというのは、
心も急いでしまうことである。
心も体も急いで動いている人が
とても多い。

その中で早く動く人もいる。
それは、心は静かで動作を早くできる人である。

この二つの動きは同じ速さでもまったく異質なものである。

いつの間にか隙をつかれている。
いつの間にか動かれている。
いつの間にか当てられている。
すべて後者の動作である。

これはメンタルだけの問題ではなく、
その運動軌道をよく知っているかに関わる。

ゆっくり動きを観察してみると
早く動くために必要な要素が見えるはずだ。

ゆっくり動いてみると、ゆっくり動けないところが
あるはずだ。そこが弱点となっている。
その弱点をよく観察して軌道を知ると
早く動く要素として利点になるはずだ。

是非試してみて頂きたい。

                      kab labo.小関

▼バランス講習会に興味のある方は こちらへ

深く・・・|2008年4月19日

身体能力の高い人は、

深く考えない。

考え、
つまり思考は、過去の記憶・情報によって
働くものである。

だから、思考に頼ると
今の現状からどんどん離れてしまう。
心と身体がバラバラになる。

大事なのは「今」どうなっているかである。

そして彼、彼女たちは、
考えるのではなく、

深く洞察しているのだ。

それは感覚によって
注意深く観察するものである。

風が頬にあたる。
誰かが肩に手を置いている。

私たちはそれを認識(思考)することなく
知ることができる。

その時、心と体は一致するのだ。

心と体の一致を知るには?
    ↓
▼5月バランス講習会in東京-スペシャルゲスト編-

今回のゲストは甲野陽紀氏です。
陽紀氏は、武術家で研究家でもあられる、
甲野善紀師範のご子息でもあります。
独自の視点からより分かりやすく甲野式の
身体の動かし方をお伝えいただきます。
http://www.kablabo.com/blog/160.html

力のベクトルを隠す|2007年2月27日

格闘技やサッカー、バスケ、ラグビーなど相手との接触が大事な要素となる
競技では、力の強いものが優位になります。
ここで言う、力とは筋力のことを指します。
しかし、単に力が強いだけで優位性は語れるのでしょうか。

体は小さかったり細かったりするのに、何故か接触プレーに強い人がいるの
もの現実です。
実は、ひとつの要因に力のベクトル(方向性)を相手に気づかせないことが、
上げられます。

力のベクトルは自分の行き先を相手に無意識に伝えてしまう信号なのです。
力の方向性を相手に気づかれてしまうのは、致命的な問題です。

では、どうやったらベクトルを気づかせないようにできるでしょうか。
それは、過剰な筋力を使わないことです。
※力を抜きすぎるのもパフォーマンスの低下となります。

過剰な筋力は緊張となって現れます。
そしてその過剰な緊張は、その方向性を表してしまいます。

この力のベクトルを相手に見せない人が、実は接触時のパワープレーの
強弱に関わってきます。
このとき、最初に言った力、つまり筋力ではなく、全体的な力と変化しています。
全体的な力とは、筋力も含め骨格やバランス感覚など能力が一体となった力を
指します。

いくら腕の筋力があっても、60キロ重量が急激に加わったら耐えることは
できません。
力のベクトルを隠すことで、相手はどの方向に対して力を加えたら良いかわ
からなくなるのです。
釣り合うところがないから、自分のバランスが保てなくなってしまいます。
逆に力のベクトルを見せない側は、相手の方向性を見極めて、相手の力の
ベクトルを外し、力を出せば、簡単に相手はバランスを崩されるのです。

先日、講習会でアメフトのトレーナーと試しに押し合いをしてみましたが、
何もやっていない私が体格の大きな相手を押し返すことができたのは、
まさに、相手にベクトルを悟られなかったからなのです。

では、どうしたらそれが可能になるか。
それはまず、全体性を知ることから始まるのです。

集中力=周注力|2007年1月 8日


集中力というと、一点集中することが集中力だと考えてしまいます。
辞書で調べても「一箇所に集めること」となっています。
「もっとボールを見ろ!」「相手をしっかり見ろ」「よく考えろ!」などの言葉が日常飛び交っていますが、こうした言葉も集中という言葉の意味合いが深く関係していると思います。
たしかに目標物を見ることは大切です。
しかし、最初の言葉を真に受けてしまうと、かえってパフォーマンスを低下させてしまうことがあるのです。

では、解説していきましょう。

まず、スポーツや運動で求められる集中力とはどんなものか考えてみましょう。
それは自分の動き、相手の動き、ボールの位置や体の使い方など、すべてにおいて把握できる状態をつくることです。

アスリートたちに最高のパフォーマンスを発揮できた時のこを聞くと、周りの状況がよく把握できています。そんなコメントが多いのを皆さんも、聞いたことがあると思います。

そうなると、一点集中の考え方が少し広がりはしませんか?

キーワード「広く見える状態」です。

例えば、車の運転です。
上手い人と、下手な人の違いは、見てる位置が違うことが挙げられます。

下手な人は、車の前や前の車をみています。だから、いつも細かくハンドルを調節したり、ブレーキを余分に踏んだりしてしまいます。
変わって上手い人は、前の前の車だったり、手前よりも先を見て運転しています。
だからハンドルの調整も最小限になるし、ブレーキも必要な時にしか使う必要はありません。もちろん、目の前の車もちゃんと見えています。

このように見える範囲が広いと、運動の精密製が逆に向上するのです。

ボールを捕球するときに、あまりにもボールだけに集中してしまうことは、逆に体の制御は雑になってしまうことがあります。
以前もゴールキーパーに指導をしたときに、こういう見方を教えてすぐに試したら、簡単に問題は解消されました。
ただ、それは本人の癖となっている場合もあるので、練習しながらその感覚を身に付けていけば、実践的な変化となってきます。
小さな視点になると自分全体の制御がとれなくなります。
大きな視点であれば、自分全体を制御できるようになります。

周注力(しゅうちゅうりょく)の内容を持ち合わせた集中力。 

まずは、広く見えているときの日常の自分を探してみてください。

ナチュラルモーショントレーニング|2006年10月16日

ナチュラルモーショントレーニング。

ナチュラルモーションとは自然な動作ということです。
トップアスリートは通常の動作よりゆっくりな速度で動作確認をおこないます。

これは自分の動作を観察する作業であり、長く第一線で活躍するには、大きなポイントとなるトレーニングです。 

このゆっくり(ナチュラルモーション)行うことで、より滑らかな動作経路を作ることができます。

具体的にはこんな感じです。

例えば、自分のバッティングフォームを連続写真で5枚撮ったとします。
これが今の自分の基準だとすると、それを深めるために1枚と1枚の間にまた1枚増やしていく作業です。

最初は1枚、2枚、3枚、4枚、5枚です。
それが、1枚、1.5枚、2枚、2.5枚…というように自分の動作を細かく細分化していく作業なのです。
そしたら、今度は1枚、1.2枚、1.5枚、1.8枚…と更に深く見つめます。
更に1枚、1.1枚、1.2枚、1.3枚…というように自分の動作写真を増やしていくのです。

これによってよりって質の高い動作を掴むことができます。
これはバランスト・メンタル・フィジカルトレーニングと総合的なトレーニングです。

射撃競技(ピストル)の選手の身体能力は思ったより高いのは、普段の動作がナチュラルモーションだからなのです。

競技性は関係ありません。
どちらかというと激しい動きを伴う競技には是非練習に取り入れてほしいものです。

行間を感じる|2006年9月20日

センスが高い選手になればなるほど、言葉は少なく体の触れあいだけで通じてしまいます。

以前、プロ野球選手にバットの構えについて話をしました。
彼は現在若手でとても活躍している選手の1人です。
ほんの少し触れてアドバイスをしましたが、瞬間に理解してくれました。
とてもセンスが良く言葉以上のことを理解してくれたようでした。
その後、彼が肩のケガをした瞬間どんな状態だったかを私が分析して体に触れて説明したところ「思い返してみると、まさにその通りです!」と本人も原因が明快になってスッキリしたようでした。

表面的なものに囚われる人の多くは、言語や理論を重視します。
「つまり、こうすればいいんですね?」と言う具合に、すぐに答えを出そうとしてしまいます。
しかし、人の体や動作は頭で理解できるものではありません。
それを頭で理解した(錯覚ですが)瞬間、想像していた動きや結果とはまったく違うものになってしまいます。
本当に感じ取ってほしいことは、言葉では表せない場合が非常に多いのです。
前述したプロ野球選手に言葉だけの会話(アドバイス)だったら、何も伝わりはしなかったと思います。
しかし、言葉とそれ以外の要素を触れることで、言葉や理論以上の何かが伝わるのです。

伝えなくてはならないのは言葉だけではありません。
言葉にならない部分、「行間」なのです。
言葉や理論はどんなに上手く説明しても、この見えない要素を伝えることによって、より多くの情報が言葉と共に伝わります。
専門誌などを読んで理解したつもりでも、実際にやってみると使えないことが沢山あります。それはこうした理由があるからなのです。
「文字だけでは表せない要素」これがとても大切なのです。

※行間とは…文章に文字では書かれていない筆者の真意や意向を感じとる意。

小説はこの行間を読むから面白く、文章では表現していなくても伝わることもあるのです。
しかし、これは小説だけでの話ではありません。
人間が伝えるという行為の中には必ずあるものです。
それを理解している人としていない人では情報質・量とも雲泥の差がでてくるのです。

素直さの力|2006年8月12日

アスリートの体に触れる機会が多くあるのですが、やはり体の反応や理解力はとても高いのを実感します。
ですから、指導するにも短い時間で、より深い内容を伝えることができます。
もちろん、運動をしていない素人の人でもその感覚を持っている人は沢山います。
その違いとは、自分の体や心をじっくり見つめているかどうかです。そしてそれができている人は、素直な反応をもっているようです。
逆に素直になれない人は、何かを掴んでしまって離せない人です。

「素直さ」は大切なキーワードで、自分の中に余計なものが少ないことを言います。
簡単に言えば、自分に起こってくるものごとに対して、すべて受け止められることです。

余計なものとは何でしょう?

…今、考えた「それ」です。

素直さは余分なものがないから、一番早い。(より速くと思えば思うほど遅くなる)
素直さは疑いがないから、一番力がでる。(より力をだそうとすれするほど弱くなる)
素直さは体に任せることができるから、一番美しい。(より美しく見せようとすればするほどぎこちない)