小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


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集中力=周注力|2007年1月 8日


集中力というと、一点集中することが集中力だと考えてしまいます。
辞書で調べても「一箇所に集めること」となっています。
「もっとボールを見ろ!」「相手をしっかり見ろ」「よく考えろ!」などの言葉が日常飛び交っていますが、こうした言葉も集中という言葉の意味合いが深く関係していると思います。
たしかに目標物を見ることは大切です。
しかし、最初の言葉を真に受けてしまうと、かえってパフォーマンスを低下させてしまうことがあるのです。

では、解説していきましょう。

まず、スポーツや運動で求められる集中力とはどんなものか考えてみましょう。
それは自分の動き、相手の動き、ボールの位置や体の使い方など、すべてにおいて把握できる状態をつくることです。

アスリートたちに最高のパフォーマンスを発揮できた時のこを聞くと、周りの状況がよく把握できています。そんなコメントが多いのを皆さんも、聞いたことがあると思います。

そうなると、一点集中の考え方が少し広がりはしませんか?

キーワード「広く見える状態」です。

例えば、車の運転です。
上手い人と、下手な人の違いは、見てる位置が違うことが挙げられます。

下手な人は、車の前や前の車をみています。だから、いつも細かくハンドルを調節したり、ブレーキを余分に踏んだりしてしまいます。
変わって上手い人は、前の前の車だったり、手前よりも先を見て運転しています。
だからハンドルの調整も最小限になるし、ブレーキも必要な時にしか使う必要はありません。もちろん、目の前の車もちゃんと見えています。

このように見える範囲が広いと、運動の精密製が逆に向上するのです。

ボールを捕球するときに、あまりにもボールだけに集中してしまうことは、逆に体の制御は雑になってしまうことがあります。
以前もゴールキーパーに指導をしたときに、こういう見方を教えてすぐに試したら、簡単に問題は解消されました。
ただ、それは本人の癖となっている場合もあるので、練習しながらその感覚を身に付けていけば、実践的な変化となってきます。
小さな視点になると自分全体の制御がとれなくなります。
大きな視点であれば、自分全体を制御できるようになります。

周注力(しゅうちゅうりょく)の内容を持ち合わせた集中力。 

まずは、広く見えているときの日常の自分を探してみてください。