小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


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走法の原理|2008年1月21日

●運動自体への注目 最近、 陸上関係者や選手を見る機会がある。 とてもシンプルな競技だけに、 一つの要素を掘り下げることが、 大事である。

あまり意味のない意味づけによって
能力が発揮できていない人が以外に多い。
(これは陸上だけではないが)

とくにケガをしてしまう人の動きを
見ると一目瞭然、その不自然さに
目を奪われてしまう。

これは根本的に運動の概念を捉え
なおすことが必要である。

例えば、膝を怪我する人は
膝に負担をかける走りをしているし、
肉離れを起こす人は
そのような動きをしているのだ。

問題は
その動き自体に疑問を持つのではなく、
気力や筋力、柔軟性といった
ケガをした本人の問題として捉え
ていることが多い。

もちろん、本人が体を操作しているの
だから本人せいと言えば間違いない
のだが、もっと全体的に運動を捉えな
い限りこの問題は解決することはない。

だから、最近は指導者やトレーナー、
コーチといった人たちを対象に
「バランス」について理解を深めて
もらいたいと考えている。

例えば、
片脚立ちをするにしても軸足に
頼る立ち方と、
体全体の関係性に注目する立ち
方では雲泥の差がある。

片脚を上げることに対して
上げた足、軸足これら以外の
体全体が片脚立ちという運動に
参加すること。
それを一つの部位や機能に頼るのは
効率が悪いし、本来人間の運動は
局部的な運動ではないのだ。

試しに肩から先の腕だけ上下に
動かしてみる。
するとその窮屈さを感じるはずである。
次に普通に上下させてみる。

人間の運動は全体的なハタラキが
あるのだ。

また、普通に歩いているとき
どの足が軸足になって
その時どの角度で腕が上がって
など分からないはずである。
もっと細かく分析すればするほど
さらに理解できない。
歩くという運動に全体が参加して
いるからよどみなく運動状態が表
れるのだ。

それはどうやったか分からない。
でも体は知っているのだ。

ストライド走法、ピッチ走法と
名前は付けられているが

それは、本来技術的な
ものではなく
自然に表れた表現なのだ。

これは歩くと走るを比べてみると
分かりやすい。

歩いているときの歩幅と
走っているときの歩幅は
違うはずである。

これがストライド走法と
ピッチ走法の基本原理である。

体全体の変化に伴って
表れる歩幅が結果的に
そう名づけられたのだ。

だから、名づけられた後の
形を表現するのではなく、
その前の状態を知る必要がある。

形は結果的に表れるものだ。
手を伸ばしたその形は
いつ表れるのか?

名前(名称)や理論は
常に後付されるものである。