心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録
●外的バランスと内的バランス
以前、インナーバランスとアウターバランスという タイトルでブログで紹介したことがあったが、 今回は少し違った視点でバランスを説明していき たいと思う。
バランスには外的バランスと内的バランスがある。
と講習会などでは説明している。
一般的に人は、外的バランスを基準としている。
何故ならそれが分かりやすいからである。
見た目、形状からバランスの良し悪しを判断する。
そこから基準ができてくるのだ。
しかし、この外的バランスを基準してしまうと
ある問題が発生する。
それは、運動の可能性を形で制限してしまうこ
とである。
外的バランスが崩れないように外的運動で規制
するのだ。
それは運動の一番大切な要素となる全体性を
失うことである。
●例えば、
・普通に肩幅スタンスで立ってみる。
・次に少しずつ前傾してみる。
すると、倒れまいとして形状を固定化する。
・さらに前傾すると、ますます形状の固定化が
進行する。
・さて、そこから自由に動けるだろうか?
これが外的バランスの結末である。
まず固定化をすることで運動の可能性がなくなってしまう。
さらに倒れまいとする働きが
分部の負担を促進する(腰、膝、足首、大きい筋肉…etc)。
この繰り返しが、ケガの原因となるのだ。
そして、普通はこの結果に対して処理しようとする。
だから、分部負担への強化(部分的対策)をしてしまう。
これではまた、ケガをするように導いてしまいかねない。
ここで大切なのは、私が兼ねてからお伝えしている、
内的バランスである。この感覚を知っただけでも
ケガの軽減やパフォーマンスの変化には多大な影響を
与える。
●内的バランスとは何か?
外的バランスに表れないバランスである。
実は外的バランスが崩れる前に
内的バランスがすでに崩れていることを
ほとんどの人は知らない(身体では皆知っているが…)。
内的バランスとは何を判断基準とするかと
言うと、それは感覚である。
内的バランスが崩れるから外的バランスにも
表れるのだ。
つまり外的バランスはすでに本質的なバランスが
崩れているということである。
もちろん、外的バランスと内的バランスは
分けることができないものである。
しかし、この内的バランスを知ることで
外的バランス(結果)に囚われず、
能力を発揮することができ
ケガなどの障害も格段に減少していくのだ。
では内的バランスの観念があるとどのように
対応できるきるだろうか?
●実は、例)の前傾を始めてすぐに
身体が倒れまいと反応を起こすところに
注目しなくてはならない。
これは、見た目や形状ではハッキリ
認識できないが、感覚では認識できる
変化である。
過剰な筋緊張が信号である。
その時に内的バランスの崩れる瞬間がある。
そこで運動を切り替えることができるかで
運動の質、つまり本質的なバランスを維持できるか
どうかに関わってくるのだ。
バランスとは形状を維持することではなく、
運動状態を維持することである。
それには自分の主体的な感覚がとても
大切になってくる。
ボディバランスボードに乗るとき、
「バランスを保つことを目的としないで下さい」
と言うのはこのためである。