小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


(マガジンID:0000211621) 登録無料 ※内容は変更する場合があります。ご了承下さい。

肯定するために|2009年4月22日

●肯定的否定

白黒ハッキリさせることが大事という
世の中の風潮があるが、果たしてそうだろうか。

身体を白黒ハッキリさせることはできない。
善悪を白黒ハッキリさせることはできない。
自然を白黒ハッキリさせることはできない。

そう考えるとハッキリさせることのほうが
不自然に思えてくる。

肯定することや否定することも知らず知らず、
私たちはしっか線引きしていないだろうか。

少し余裕を持ってみてみると
白、黒だけではなく、グレーという存在も見えてくる。
そしてこのグレーは新たな色ではなく、
白と黒というのは繋がっていることを教えてくれる。
本来の在るべき姿を見せてくれているように思う。

そんな観点で以下のことを考えてみましょう。


スポーツのパフォーマンスの向上、
表現の追求、
仕事での成果、
なにか研究すること、
真理への探究…

これらの道を歩き続けるには
否定という要素を大切にしなければならない。

肯定についてもこれを白としてしまうと、
抵抗が生じる。否定を否定する肯定である。
肯定なのに否定する??おかしくないだろうか。

否定といっても抵抗や摩擦があっては
ただの拒否であり、否定的否定となってしまう。

抵抗や摩擦のない否定。
つまり肯定的否定である。

今という新しい現実は、一瞬一瞬起こり続ける。
川の流れは同じように見えるが、
ひとつとして同じ水、同じ流れではない。

私たちの身体も瞬間瞬間変化し続けており(老化や成長)、
ひとつとして同じ身体とめぐり合うことはない。

その中で記憶や経験だけが増え、
私たちは大人になるつれ経験や体験を大事し、崇拝し、宝にする。
しかし、それを大事にするあまり、
今という新鮮さを失わせてしまうことがある。

それが既成概念であり、その既成概念を通して
現実を見てしまう。つまり、色眼鏡をかけてしまうのだ。

次の瞬間、それ変化しているかもしれない。
次の瞬間、その人は成長したかもしれない。
次の瞬間、新しい何かが生まれているかもしれない。

新鮮な今を感じたり、見たりするためには、
その色眼鏡(既成概念)を外すことが必要である。

そのために否定してみる必要があるのだ。

新しい今を感じるために。
新鮮な今を知るために。

私たちは肯定するために、否定し続けなければ
ならないかもしれない。

そしたら、きっと無駄な争いや闘争も
なくなるのではないかと思う。自分の中の摩擦や抵抗がなければ、
それは人との付き合いも国との付き合いも変わってはこないだろうか。

全ての条件、要素、関係がある「今」と出会うためには、
色眼鏡や既成概念を否定していく必要がある。
それが肯定することではないだろうか。

身体についても問題や課題がある人は、何かに頼るではなく、
自分のやっていることをまず否定しなくてはならない。

しかし、それは否定的否定ではなく、肯定的否定である。

否定することで肯定するものを感じることができる。
そんなことをバランスというキーワードを通してお伝えできれば幸いである。

                                kab labo.小関