小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


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力のベクトルを隠す|2007年2月27日

格闘技やサッカー、バスケ、ラグビーなど相手との接触が大事な要素となる
競技では、力の強いものが優位になります。
ここで言う、力とは筋力のことを指します。
しかし、単に力が強いだけで優位性は語れるのでしょうか。

体は小さかったり細かったりするのに、何故か接触プレーに強い人がいるの
もの現実です。
実は、ひとつの要因に力のベクトル(方向性)を相手に気づかせないことが、
上げられます。

力のベクトルは自分の行き先を相手に無意識に伝えてしまう信号なのです。
力の方向性を相手に気づかれてしまうのは、致命的な問題です。

では、どうやったらベクトルを気づかせないようにできるでしょうか。
それは、過剰な筋力を使わないことです。
※力を抜きすぎるのもパフォーマンスの低下となります。

過剰な筋力は緊張となって現れます。
そしてその過剰な緊張は、その方向性を表してしまいます。

この力のベクトルを相手に見せない人が、実は接触時のパワープレーの
強弱に関わってきます。
このとき、最初に言った力、つまり筋力ではなく、全体的な力と変化しています。
全体的な力とは、筋力も含め骨格やバランス感覚など能力が一体となった力を
指します。

いくら腕の筋力があっても、60キロ重量が急激に加わったら耐えることは
できません。
力のベクトルを隠すことで、相手はどの方向に対して力を加えたら良いかわ
からなくなるのです。
釣り合うところがないから、自分のバランスが保てなくなってしまいます。
逆に力のベクトルを見せない側は、相手の方向性を見極めて、相手の力の
ベクトルを外し、力を出せば、簡単に相手はバランスを崩されるのです。

先日、講習会でアメフトのトレーナーと試しに押し合いをしてみましたが、
何もやっていない私が体格の大きな相手を押し返すことができたのは、
まさに、相手にベクトルを悟られなかったからなのです。

では、どうしたらそれが可能になるか。
それはまず、全体性を知ることから始まるのです。