小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


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実感と無実感のパフォーマンス|2007年4月23日

【今日のポイント】

●実感の落とし穴


バランスとは全体性である。
この全体性を崩したとき、能力の損失は相当なものである。

しかし、ここに気づいている人は本当に少なく、プロのアス
リートでさえ理解している人は少数である。

その全体性を崩す大きな原因のひとつが実感である。

実感とは身体の局部的な緊張であり、過剰な感覚であり、
バランスを崩す、余分な力である。

例えば、片腕を過剰に力を入れてみる。
そして、その腕で何かを押してみる。
すると、その力を入れた腕だけで押しているように感じる。
次に、力を抜いた状態で同じものを押してみる。
すると、感覚は薄くなるが、身体全体が働きはじめて、
押すのがとても楽になる。

簡単な実験だがこれだけ差がでるのだ。

常に身体のあちらこちらに力を入れている人がいるが、
こういう人はかなりもったいない。

実感とは力が入っている感じはするのだが、じっさいは能力の
半分も出せない。局部的な力しか表現ができないのだ。

バランスボードに乗れない人は、脚の力だけで何とか乗ろうとする。
これも局部の力であり、実感がある身体の使い方である。

いいパフォーマンスができたとき実感がないという選手は多い。
つまり、どうやったか理解できないと言っているのだ。

「ボールがあたった感じがない」
「攻撃した感じがない」
「いつのまにか相手が倒れていた」

このとき、実感として記憶が残っていないのは、局部的な力ではなく、
全体性が働いるからである。

ケガの多い人も実感に頼る人が多い。
ものが壊れるとき、どこかに支点(固定点)があり、その付近から破損する。

同じように、
過剰な実感とはこういった支点を作ることとも言える、
野球などボールを投げる運動などでは、肩や肘がケガをするのは
こういったことが原因となっている。
ボールに力が伝わらないのも、バッティングにパワーがないのも過剰な
実感が原因となっていることが大きい。

トレーニングを指導したある高校での話だが、部員が70名ほどの
野球部に故障者はほとんどいない(これは驚くべきことらしい)。

これは、そういった概念で身体の使い方を学んでいるからなのだが、
実感をなるべくもたないことを重視している。
バッティングしかできないグランドしかないのにも関わらず、
毎年成績も上昇し、今では県でもトップクラスの実力を持っている。
実感を持たないということは、同時に身体全体で運動を行っていると
いうことなのだ。

全体性を保つには、いかに
実感のない感覚で運動ができるか
ハイパフォーマンスを常に表現するために重要なことである。

実感とは局部的な表現であり、
無実感とは全体的な表現である。

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