小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


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三位一体と一体三位|2009年1月19日

●一体三位

接触競技において大事なのは、
攻撃力、防御力、敏捷力であるが、
これらは別々のものと捉えてはならない。

攻撃力が防御力であり、
攻撃力が敏捷力であるのだ。

大相撲は力と力のぶつかり合いだが、
攻撃力を大事にしすぎると、
防御力が欠略し、
防御力を大事にしすぎると、
敏捷力が欠落する。

攻撃力は過度な緊張をすれば、明らかに低下する。
その緊張はバランスを崩す一番の原因であるし、
それによって身体は固定状態となり、動くことが困難となる。

これが、サイクルになってパフォーマンスの低迷、ケガの誘発に
繋がっていく。

なぜそうなってしまうのだろうか。

ポイントは
それらを別々に考え、トレーニングや考え方を分けてしまうことだ。

バランス講習会を受講されている方なら
体感されたと思うが、

これらはどれも違うものではない。

攻撃力があれば、防御力もあり、敏捷力もある。

これが三位一体、

いや、一体三位である。
「一体」が同時にいくつもの顔を持っているのが、
人間の身体である。
ここで言う「三」は単に3種類ではなく、
「沢山、無限」という意味である。

動物を観察していても分かるだろう。

ライオンが別々に動きを分けているだろうか。
攻撃が防御となっており、その動き自体に
敏捷性が同時存在している。

三位一体ではなく、
一体三位を知るには、
まず、自分の身体のことをよく観察する必要がある。
そのためには今まで培った情報を一旦手放す必要がある。
忘れることはないが、手放すことが大事である。
でないと、新しい体験をすることはできないからだ。

大相撲の横綱2人は、それらの一体三味を体現している。
だらから別格の強さがあるのだ。
動きが止まるのは、運動を別々にしてしまう結果である。
それを改善したいならば、バランス力を高めることが大切である。

バランスの働き、反応、重要度、範囲・・・

まずは、身体とは何か、その条件をよく体感してみることが、
一体三位の意味を体感する近道だろう。
これらの条件は、何か特別なことをして表れるものではない。
もともと、そういう働きが人間の身体にあるということである。

まずは、各トレーニングに攻撃力、防御力、敏捷力を阻害するものは
ないか確認してみてはいかがだろうか。

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