小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


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箱根の走り|2009年1月14日

●走り方の違い

長い距離になるほど、
無駄な動作や無駄な力は持久力に大きく影響している。
もちろん、メンタル的なプレッシャーはもちろんだが、
走る姿勢をもう少し検証し改善するだけで、
走力のレベルアップに繋がる。

箱根駅伝で走る姿勢を見ていて、
特に上空からの映像を見るとその違いに驚く。

それは、上体の傾きである。

飛びぬけて早い選手は、上から見ると背中が見え、
そうでない選手は胸が見えるのだ。

もう少し分かりやすく言えば、
前に進むのを動力源として走るのが前者。
脚力だけで走ろうとするのが後者である。
(7割〜9割が後者になっているようだ)

主力エンジンをどちらにするかで
体力の消耗具合が想像できるはずである。

これは単に姿勢を改善すればいい問題ではない。
もっと感覚的な問題である。

ケガやパフォーマンスに悩んでいる選手は大抵、
蹴る行為が強すぎることが引き金となっている。
分かりやすく言うと飛び跳ねるような感じで走るのだ。
一見、カモシカのように軽やかだが、
その負担は相当に大きいことに気付いていない。

黒人選手などは小さい頃から
野山を毎日のように歩いていたため、
この癖はないようだ。

そして、脚力に頼ることでもう1つ問題が増えてしまう。
それは、走りながらブレーキを掛けてしまうことである。
着地した瞬間、また脚力を強調するため、
瞬間ブレーキをかけて蹴る力を作らなくてはならない。

つまり、蹴るためにブレーキをかけるという
悪い相乗効果が生まれてしまう。

試しに下り坂で走ってみるとその違いが分かるだろう。
脚力を強調して下ってみる。
前に進む力を利用して下ってみる。

自然な力に頼ることの方が大きな力が生み出せるはずだ。

この違いを認識した人は、
まず、早く走ろうとする意思より、気持ちよく走ろうと感じることが、
問題解決の糸口になる。ここが根本的に変わらなければ、
今言った技術的なことはムダになる。

是非試して頂きたい。        
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