心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録
【今日のポイント】
●力むとは力無である。
力を出したいのであれば、力感を持たないことである。
体のどこかに力感存在すれば、力の制限が働く。
力が入っていると力が出ている感じはするが、
実はかなり制限されている。
素晴らしいプレーができたとき、上手く話せたとき、
物事がスムーズに進んだとき、力感はあっただろうか?
本当に上手くいったとき、往々にしてどうやったかは覚えていない。
それは、引っかかる感覚がないからだ。
つまり力感がない。
だからどこからどう説明し、解析しようとしても、上手く再現できない。
力感を頼りにしてはならない。
全体性で捉えることが大切である。
自転車に乗っているとき、何故あんなに複雑な動きが
できるのだろうか?
それは、力感に頼ろうとしていないからだ。
力を入れようとすると、力は無くなる。
日本ナンバーワンと言われたプロサーファーとこの話をした時、
「全くその通りです」と答えた。
サーフィンでも、力んでしまった時はサーフボードをまったく
操作できなくなるという。
ほんの少しの脚(単独)での操作が邪魔をするのだ。
さらに大きな波であればあるほど、それはハッキリと現れてしまう。
本当に力が体全体に伝わっている時、
力を入れている感覚はない。
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【今日のポイント】
●科学は我々の感覚の先かそれとも後?
科学とはその現象に対しての認識活動である。
人間がどれだけ深く細かく言語化できるかの探究と言える。
しかしそのものに注目するキッカケとなるのが、我々の感覚である。
そのことを忘れてはならない。
別に科学がどうということではない。
いつの間にか科学が先になり、感覚が後追いになってい
ることが、私たちの感覚を鈍らせている。
例えば、歩き方である。
足裏の重心過程を見たとき、
踵から着いて→足のやや外側を通り→母子丘から→指にに抜ける。
と分析されている。
これは我々が普段やっていることに対して、認識されたデーター
であって、これを元に私たちが歩いている訳ではない。
しかし、このデーターを元に歩き方を指導することを度々見られる。
解析した動きはすべてではない。データーとして現れるもの以外
の要素も沢山あるのだ。
このギャップがより不自然さを生む。
これ以外にもデーター信仰になって、自分自身の感覚を閉ざす人は
少なくない。
感覚は何よりも複雑で言語化できない要素を沢山含んでいる。
この表現できない部分が、運動にとって何よりも
大切なのだ。
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【今日のポイント】
●グレーゾーンを実践してみる。
グレーゾーンを維持することは、能力を維持することにも繋がる。
先日の講習会で、プロアメフトトレーナー、ラガーマンと押し合いをしてみた。
(もちろん、組んだ形からの押し合いです)
私の体格と言えば、168センチ、体重64キロ。接触系のスポーツで考えると、
けして恵まれた大きさではない。
もちろん、毎日筋トレをしているわけでもない。
バランスのことを考えたり、動いてみたりする程度である。
月に一度くらい中国武術をしている。
ちなみに高校時代は陸上部である。
アメフトとラグビーと言ったら、押すことに関しては
プロフェッショナルである。まともにやったら死んでしまう(^_^;)
普通は試してみること自体ナンセンスだが、
実際にやってみた。
しかし、実際やってみると驚く。
押しているつもりがないのに、相手を押せる。
もしくは瞬間的な反応は圧倒的に私の方が上なのだ。
他のスポーツや普通の人とやるのであれば、私が押せるのは分かるが、
実際こういう人たちとやっても結果が変わらないのは、
改めてグレーゾーンを大切にすることの重要性が理解できた。
これは、押し合いだけではなく、打つこと、蹴ること、飛ぶこと、投げること、
すべてに当てはまる内容である。
こういう部分を指摘できる人は少ないので、できる限り講習会などで、
みなさんに伝えて行きたいと思う。
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【今日のポイント】
構造即意匠(こうぞうそくいしょう)。
●解説
伝統構法で建てられた家は軟構造という。
それに対して、現代建物は剛構造が主流となっている。
本来人間は自然に逆らうのではなく、
自然と同化することを考えてきた。
だから、建物も地震や風に対して
抵抗するものではなく、そのエネルギーを
建物の揺れとしてそのエネルギーを転換させて
いたのだ。
300年以上もつ建物は、無駄がない。
柱や梁がむき出しになっても違和感がない。
むしろ、むき出しのままがいいのだ。
無駄がないとはこのことを言うのだ。
意匠が構造でもあり、構造が意匠でもある。
構造と意匠は同一のものなのだ。
もともとこういった建物は何から学んだのか?
樹木(自然)からである。
私たちの身体も人間である限り、
この原理は同じと言える。
(なぜなら私たちは自然だから)
筋肉や骨格etc...これらが一体に働いた時、
無駄のない大きな力となる。
しかし、それがバラバラに働いてしまった時、
剛構造のような概念に転じてしまう。
脚を太く、腕を太く、強くしなくてはならない。
300年生きる建物と30年生きる建物。
その差は計り知れない。
私もお世話になっている深田さんのページです。
深田真工房
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NO.4
【今日のポイント】
力を発揮したい時は、力を使わないことだ。
●解説
力を出そうと思った時、本当に自分の力を発揮できているだろうか?
自分でも思わぬ力がでたという経験はないだろうか?
それを「火事場のバカ力」と言うのであれば、それはどうして発揮で
きるのだろうか?
よく、科学的に脳がその力を制御していると言うが、一理ある。
力を発揮するための我々の認識がその力を制御しているのだ。
火事場のバカ力が発揮できたのは、自分の認識を超えたとき
に発揮していることに気づかなければならい。
ということは、力を発揮するための普段の認識を疑わなくてはならい。
今日のポイントにはその意味が込められている。
力を入れようと思えば思うほど、腕に緊張がおこったり、
脚や腰に緊張が起こってしまう。これは局部的な運動にしか
ならない。
筋肉は力の大切な要素ではるが、力の源ではない。
本当の力とは、構造、バランス、呼吸、意識etc...
体全体の能力だ働いて初めて発揮できる。
全体を発揮するには認識を変える必要がある。
火事場のバカ力状態を少しでも発揮するためには、まず、力を入れないことである。
もちろん、力の抜きすぎは逆効果であるので注意しなくてはならない。
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NO.3
【今日のポイント】
自然体とは緊張(きんちょう)でも弛緩(しかん)でもない。
自然体とは弛緩でもあり緊張でもある。
●解説
人は、
緊張しすぎては動けない。
弛緩しすぎても動けない。
しかし、運動とは筋肉の緊張と弛緩によって成り立つ。
緊張でも弛緩でもなく、緊張でも弛緩でもある、ちょうどいい状態を
グレーゾーンと言っている。
このグレーゾーンが身体で理解できてくると、
筋力の概念やバランスの概念が180度変わってくる。
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NO.2
【今日のポイント】
バランスとは全体性である。
●解説
例えば、片脚立ちをする時に、形の上では、軸となる脚が重要である。
しかし、形は同じでも感覚が違うだけで、安定性は雲泥の差となる。
試しに、片脚立ちをやってみましょう。
1、軸となる脚を意識した立ち方を感じてみてください。
軸足をしっかりと緊張させていなくてはなりません。
2、では、今度は軸となる脚、挙げている脚、両腕、胴体、頭と体全部が
片脚立ちという運動に参加してみます。
すると、不思議なことに最初に試した方法とは打って変わって
とても楽に安定して片脚立ちができるのです。
フラフラしていた人も、不思議なくらい安定するのが分かります。
これは歩く感覚と同じである。
歩くことも片脚づつ地面につくのには変わりはない。
1のような、重心を乗せかえる疲れる歩き方は、あまりやっていない。
体重が左右両足に移動するというより、重心がただ真っ直ぐ移動している
感覚で、脚はとても軽いはずである。
それは、身体全体で「歩く運動」に参加しているのだ。
重要なのは脚だけではないことが分かる。
2の全体で片脚立ちとはこういう感覚である。
バランスとは、そういった全体性が働いている時、始めて能力として発揮されるのだ。
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NO.1
【今日のポイント】
安定しているからバランスがとれる。
固定しているからバランスが崩れる。
●解説
安定力が力やスピード、美しさを生み出す。
安定とは運動が生きている状態である。
固定とは運動が死んでいる状態である。
「何かバランスが悪いなぁ」と思ったとき、
どこか固定していないか確認してみよう。
固定した場所が、
バランスが崩れるキッカケとなるのだ。