小関アスリートバランス研究所

Kab Labo

バランスの力

心と体のバランスを保つ
(ほぼ)日刊語録


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頭で理解していること、体で理解していること|2006年5月27日

自分よりレベルが高い選手から指導を受ける場合、できるだけ具体的な指導は避けるべきだと思っています。指導を受けるなと言っているわけではありません。それはあくまでも重要なヒントとして受け取ることが大切なのです。

 なぜかというと、骨格、構造、筋力、精神力、性格などすべてにおいてその人とは違うからです。全く同じ人は存在しません。ですから、その人に合ったフォーム、動きは本当は自分にしか分からないはずなのです。前も言いましたが、それには主体的な感覚がまずは必要なのです。

 実は教える方も意外にそれを理解せずに自分の具体的な部分だけを教えてしまう人がいます。結果から結果をもとめてしまうようなもので、主体的な感覚を鈍らせてしまう可能性が大いにあるのです。

よくテレビで解説者(元選手)がプレーしている選手の動きを解説していますが、意外に間違っていることを言って場合が多いのには驚きます。

 トップアスリートの表現を聞くと面白い答えだったり、理解ができないような表現をしたりして、お茶の間を笑わせたりしますが、実はアスリートたちは大真面目で、そういう場合だいたい抽象的な表現をしています。しかしそれしかできないからそういう表現になってしまうのです。感覚を言葉で正確に伝えるというこはそんなものなのです。それを理解するには、実際に動いてみたり触れたときにその表現意味を理解することができるのです。

 言葉で理解したら、体でも理解してみましょう。前者の100倍以上の情報が得られるはずです。体で理解していることは、頭では理解できません。頭で理解できているものは、その表現のほんの一部なのです。

スポーツと日常の境界線|2006年5月24日

スポーツの動きと日常の動きとは違うものでしょうか?
多分ほとんどの人がYesと答えると思います。
しかし、KAB LABO.では、そこには大きな違いはないと考えています。
そうであれば、日常から得られるヒントは宝の宝庫といえるでしょう。
どんなに毎日練習をしていても、生まれてから常におこない続けている日常の動作の時間・回数には適いません。
もちろん、練習をないがしろにすることではありません。スポーツでも基本的には、非日常動作ではなく日常動作の延長だということを理解してもらうだけでも、かなり多くの問題は解消していくはずなのです。(言い方を変えるとものすごい練習量ですね!)
水を飲む、頭をかく、箸でご飯を食べる、電気を消すetc...この何気ない動作に、全体性(バランスにもっとも大事)が含まれているのです。

第一に、日常動作は疲れない。
第二に、日常動作は余計な動きがない。
第三に、日常動作はバランスがとれている。(動作によって)

逆にスポーツに置き換えると、
スポーツ動作は疲れる。
スポーツ動作は余計な動きが多い。
スポーツ動作はバランスがとりづらい。

とも考えられるように思います。日常の動きがスポーツ動作として成り立つかどうか、ちょっと考えてみてはいかがでしょうか。

A oneself range(自分範囲) 1|2006年5月22日

A oneself range (ワンセルフ レンジ)、日本語で自分範囲
これは動きにおける、前後左右すべての方向にこれが存在するもので、バランスを理解するには、みなさんに必ず理解してほしい要素の一つです。

手を伸ばすことでもバランスを壊す伸ばし方とバランスを壊さないで伸ばす方法があります。一見同じような行為ですが、全く異質なものなのです。

バランスを壊してしまうと、必ずどこか局部的に緊張が生まれます。この状態を作ってしまうと全体性がなくなり、本来の要素が消えてしまうばかりではなく、ケガの原因ともなってしまいます。
しかし、この感覚を理解できるようになると、どんな動きにも自信をもつことができてきます。

何気なく歩いているとき、生活の中での動きに「oneself range」の要素が沢山含まれています。
意識して少し大またで歩いた時、極端に歩幅を狭くした時、どこかが緊張を起こしているはずです。その時すでにボディバランスが崩れています。

バランスが良い人とは「oneself range」を知っている人なのです。

目線|2006年5月15日

BBBに乗る上で大切なポイントと言えば目線です。
みなさんはBBBに乗るときにどこを見ていますか?

目線をどこに置くかで、自分のボディバランスに大きな影響を与えてしまいます。

例えば、下をみて(BBBを見ながら)バランスを保とうする人は、どうしてもカラダの動きや変化を目で見て判断し、自分のカラダを操作してしまいます。
きっと不安があるからだと思いますが、実はそれは逆効果なのです。目で見て判断することは、一旦、その状況を意識するということなのです。

でも、考えてみてください。

BBBに乗るときに別に足下を見なくても、バランスってとれますよね。どんな状況か見なくても分かっていますのよね。さらに自分の足がどこにあるかも分かっていますよね。

だったら見なくてもいいのです。

足下を見て判断することは、見る→意識・判断→行動という、1、2、3のステップが必要です。
しかし、見なくてもいいのであれば、条件反射→行動で瞬発的な動きが可能になってきます。1、2だけでことは足りてしまいます。(ここでの条件反射というのは、バランスが崩れまいとする働きのことですね)
それだけで結果的な判断が早くなるのです。
今の貴方は1、2、3ですか?それとも1、2ですか?

具体的に例を挙げると、自転車に初めて乗ったときを思い出してください。私たちは 見る→意識・判断→行動というサイクルに入っている時は思い通りになりません。何度も転んだ経験があるはずです。

しかし今はどうでしょう?

自転車に乗るとき何のためらいもなく、ペダルをこぐことができます。条件反射→行動というサイクルですよね。だから他の事をしながらでも自転車が乗れるのです。

行進をしている時、ふと手足の動きを意識した瞬間、右腕、右足が左腕、左足が同時に動いた人を見たことがあると思います。それは条件反射→行動のサイクルに意識・判断が途中から介入してしまった結果なのです。

皆さんは、普段の生活の中でこの動きは沢山しているはずです。むしろ、その動きがほとんどなのです。そしてスポーツにおていも、この感覚を掴んでいる人は、いいプレーしているはずです。

しかし、目線を変えることで、みなさんに知ってほしいことは、目線の位置というより、バランスをとる自分の感覚をカラダで感じているかどうかです。

最初は、目線の位置を変えて色々試してみて、自分の状態の変化を感じてみることから始めてみてください。目線を変えてみることで、BBBに乗る感じもまた違ったものになってくるはずです。

ボディバランスボード
ウエイブマスター

主体性|2006年5月11日

ボディバランスボード(以下BBB)を利用していただくにあたって、もっとも求められることは、主体性のあるカラダ・自分をつくることです。

主体性を辞書で調べると、「自分の意志・主義をもって行動する態度.」とあります。「自分から湧き出てくる感覚」と理解してもいいでしょう。

感じようとする意思・乗ろうとする行為を見れば、主体性があるかないかは一目瞭然です。

乗れるか乗れないかではありません。言われたから感じることでもありません。能力には個人差があります。大切なのは、本当に自分自身で感じてみることなのです。

この主体性をもつことは、スポーツ(自分のカラダを操作すること)にはとても大切なことです。もちろん、人間関係や人生においても同じことが言えるかもしれません。

特にスポーツでこの主体性がないとは大きなハンディとなります。指導者のいいなりになってしまいます(指導者もそれを求めてはいないないはず)。あくまでも指導者からの言葉はヒントであり、それを自分の感覚に当てはめていく作業は、やはり自分でしかできません。

それから、ケガです。ケガの多くはやはり、自分のカラダの声を聞けるかどうかで違ってきます。それによって自分のバランスを知ることができます。バランスが良ければ、おのずとケガの予防にもつながっていくのです。

ボディバランスボード
ウエイブマスター

いいバランスとは、全体性が整っていること|2006年5月 5日

いいバランスとは、全体性が保たれている状態を言います。
これまで様々な動きを見てきた中で、早い動き、強い動きができた時は必ずこの全体性があるのです。

では、全体性とはなんでしょうか。

例えば、戦のときに武将がつけている甲冑(かっちゅう)(鎧のこと)ですが、これは重いもので20キロはあるそうです。
これをまとめて持ってみることを想像してください。
いったい何分持ち続けられるでしょうか?どのくらい歩けるでしょうか?そして走れるでしょうか?
考えただけでも大変な体力を必要とします。とくに女性・子供には大変なことです。
しかし、これを身にまとったらどうでしょうか?走ることも、馬に飛び乗ることもできるわけです。さらには泳ぐこともできた人がいたわけです。
この違いはいったい何でしょうか?

簡単に説明すると、甲冑をまとうことによって、全体性が伴ったのです。このことは、いいバランスを語るのにはとても重要なポイントなのです。

では、全体性を掴むにはどうしたらいいでしょうか。
まずはちゃんと立つことです。
こんなに簡単な答えなの?と聞かれますが、兎に角ちゃんと自分の立つ運動をおこなえることなのです。

では実験をしてみましょう。
・少し重い荷物を持ってみましょう。(両手でもてるもの)
その感じを覚えてみます。(無理はしないでください)
・足下に荷物を置いてください。
・次に、ただ立ちます。前を向いて膝をリラックスして立ってください。
・立っている状態ができたら、そのまままた荷物をもってみましょう。

どうですか?

最初持った感じと違うはずです。
楽にもてませんでしたか?
これが全体性がない状態とある状態の違いです。

それが複雑な動きになっても「主」となる自分が存在することがもっとも大事なことなのです。


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バランスコーディネーション講習会|2006年5月 1日

終了いたしました。 


新潟県北越高等学校普通科スポーツコース・バランスコーディネーション講習会

日  程  
      <2、3年生>
      平成18年4月25日〈火〉   
      14:20〜15:10

      <1年生>
      平成18年4月27日〈木〉   
      15:20〜16:10

会  場  北越高校   第一体育館

対象    40名〜80名+保護者 

講演内容
      1年生 「バランス能力開発法、バランストレーニング」

      2、3年生 「バラストレーニング、動作改善トレーニング」

人間の特権|2006年2月 7日


実は、考えるという行為はカラダの動きにブレーキをかけている場合が多いのです。
「あそこを意識すれば」「ここを意識して」などと考えれば考えるほど、思考の呪縛にハマってしまう可能性が大いにあります。
動きの質の違いはここなのです。
いかにカラダからの情報を表現できるかです。
しかし、ここで矛盾が生じます。
意識・思考することは人間の特権だからです。
ですから人間はここまで発展してきたとも言えるでしょう。
しかし、同時に見えなくなってしまったものも沢山あるということに気づかなければなりません。
それを自覚するには、まずは自分のカラダと対話することです。
つまり「受動的なカラダ」から「主体的なカラダ」をつくることが第一歩となるのです。
結果、動物のように「美しく、強く、早く」自在に動ければこれほど楽しいことはありません。
人間にとっての自然な動きとはどんなものでしょうか?それはみなさんの日常に存在します。
なぜならすべての人に生まれ持って備わっている能力なのですから。

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カラダで認識してみる|2006年2月 6日

私がお伝えできることは、難しい理論や高度な練習方法ではありません。
もっと根本的な部分にアプローチし、まずは本人にその大切さを自覚してもらうことです。
それによって、高等技術が大きく変化していく様子を何度も見てきました。
表面的な技術はあまり大きな変化がありません。
トップアスリートになると技術自体は大きな差はありません。
その差がでるのは「動きの質」なのです。
何度も言いますが、劇的な変化のキッカケは身近なところに存在しているのです。
スポーツ選手もそうでない人も、バランスが大切だということは分かっていても、それが何故大切なのか、またどのくらい大切なのか理解している人は少ないでしょう。
それなら、勉強すれば理解できるでしょうか。
いいえ、100%理解することは不可能です。
なぜなら、カラダで感じることを疎かにしているからです。
カラダで感じ、認識することがとても大事になります。
私たちのカラダが頭で理解できる程度であるならば、みんな簡単に一流のアスリートになれるでしょう。
また、これほど多様なトレーニング方法や多くの指導者は存在しないわけです。
「百聞は一見にしかず」という言葉がありますが、「一考は一動にしかず」というのが、一番適当な言葉だと思います。
体で得る情報は、頭で考えることより数百倍、数千倍の情報量があるのです。
みなさんも身に覚えがあるはずです。
今まで、多くのトップアスリートや子供から高齢者まで様々な人を見てきましたが、ほとんどの人が日常的な動作には支障がない反面、多く人が自分のカラダを有効に使えていないことも事実なのです。
そこには、「思考」という壁が存在していたのです。

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ゾーン|2006年2月 5日

スポーツ競技をしたことがある人やそれ以外でも様々な場面では一度は体験したことがあると思います。

何故その動きができたのでしょう?何故その時に行動したのか?最高のパフォーマンスはそう何度も体験できるものではない。

これがいわゆるゾーン体験というものです。

しかし、その時の状況を思い起こしても、どうしてそのような動
きができたのか分からないことがほとんどです。その動きをもう一度求めれば求めるほどその動きからは遠ざかります。

何故でしょう?

過去を求めてしまうところにヒントがあるのです。今起こっている現実は瞬時に過去のことなります。また私たちのカラダをはじめ様々なものは常に変化し続けているのです。細胞分裂を繰り返し、生まれ、死に、腐食して、新たなものに変化して…と。
過去の瞬間を求めれば求めるほど、執着すればするほど、同じ動きができないのは、実は当たり前なのです。
スランプなどはその典型なのです。

同じ現実は二度と戻らないのです。
そして常に新しい今を認識していくことが、ゾーン体験の近道になるのです。


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